ツクツクボーシ

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雨音のなか、ほかの歌声は聴こえない。 包まれた腕のなかで、涼しい風がさわさわと吹き抜ける。 「ありがとう。ボクの声を誉めてもらって嬉しい。 きみはボクの、初めての友達だよ」 「私と友達になってくれるの? ありがとう」 クスノキは微笑んだけれど、なぜだかどこか悲しそうで。 ボクは彼女を笑顔にしたくて、また1日中歌うぞ、って張り切った。
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