遠き日常

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ーーーーー 「集まったか」 午前1時を過ぎた頃、ぞろぞろと出発組が集合場所であるロビーに顔を出し始める。 何台にもなるトレーラーを運転、もしくはそのサポートにあたる者、数人の護衛役を除けば、この基地にいる幹部クラスの殆どが出ることになる。 「こんなに戦力を基地から出して大丈夫なの?」 そう問いかけると、リベリオンは少しの間口を固く結んでから、答える。 まだ決めあぐねている部分もあるようだ。 「お前の言うことも分かるさ、キリア。 半分以上の幹部クラスを動員することになるからな。 だが、荷物が荷物だ。 『スレイヤー』にはもちろん、その辺の連中に簡単に奪われるわけにもいかない」 今回行うのは、この基地だけでは受容し切れなくなった、兵器類を含む物資の輸送だ。 こことは別に、本拠地として使える場所を更に増やす、いわば勢力の拡大。 物資という言葉で括ればそれで終わりだが、我々の力の『大部分』をトレーラーに詰めて運ぶのだから、慎重にならざるを得ない。 この基地をまるまる手薄にするわけにもいかないが、勢力を伸ばするためには今の基地だけではどうしても限界がある。 空輸が出来れば楽だが、一番守りにくい輸送路を辿るわけにもいかず、こうしてわざわざ20台近くのトレーラーで、最もポピュラーな方法で運ぶことになったのだ。
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