輸送、奪取、そして籠城

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基地から地上に出る。 夜、月も星も空には見えない。 厚い低層雲に覆われていた。 『空の目』は効かない。 それは敵も、自分達もだ。 各輸送隊のルートはバラバラだが、それぞれのルート付近には監視役の者が散らばっている。 何か異変があるときには、彼らの知らせのみが頼りになる。 何かあった場合は、それぞれの輸送隊で対処しなければならない。 優先は輸送の完了、特に私とリベリオンが付くトレーラーには、戦力に大きく関係する物資が多い。 絶対に奪われるわけにはいかない。 かといって、今の基地の戦力も手薄になっていることから増援も殆ど出せない。 自分で対処出来なければ切り捨てられる。 それは大きなリスクだった。 基地からしばらく走り、ちらちらと一般の車両も見かけるようになった。 深夜とはいえ、それなりの数が当然走っている。 しかしこの時間ではトレーラーも多い。 それに紛れるように、各隊が目的地を目指す。
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