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カズがどこからか取り出した耳栓を耳に入れた。
「カズ、完全に怪しい人だよ……」
「え?なに?ごめん、全く聞こえない」
まるで盗撮をしている中年男性の様に息を荒くしてニヤニヤとしている。
オマケに変な体制までしているので、余計に怪しい人度が増している。
これには流石に周りの人も引いていた。
「楓、こんな不審者放っておこう」
「うん。だね」
食堂にいる殆どの人がコクコクと頷いた。
「ちょっとなに?!なんかとてつもなく酷いこと言われた気がするけど?!」
聞こえないのになんでそんなことだけわかるの。ある意味すごい勘だね。
「気のせいだ。つか声でかい」
「え、あ、今のなんとなくわかったかも。ごめん」
「うん、そんくらい」
今のは勘なのかな?雰囲気とか口の動きかな?まあどうでもいいや。
僕がどうでもいいことに対して諦めた瞬間、学食の扉が開いたとほぼ同時に食堂が揺れた。
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