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茅刈side
カーテン越しに聞こえる君の寝息。
このままこの布を破って君を襲いたい。無理矢理でも俺の体を覚えさせて、抜け出せないようにして、溺れさせたい。
でもこんなことは君は望まない。
こんなことをすれば君は俺から離れて行く。
そんなのは嫌だ。
それに、君には恋人がいる。
そいつを消せば、もしかしたら…もしかしたら、俺のもとに来てくれるのではと考えてしまう。
それでは幸せな君が悲しんでしまう。
それも嫌だ。
閉じたカーテンを開ける。
だから俺は、君の思ったままの俺で在り続ける。
中に入り、左端のベッドに向かう。
皆の知る保険医で在り続ける。
君の髪に触れる。
でもせめて…
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