-3-

4/15

406人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
しかし、いつまで経っても瘋斗は腹を抱えたままだった。 え?そんなに強くやっちゃってたかな?それとも当たりどころが悪かったのか? 少々心配になり、瘋斗の元に駆け寄る。 「えっと…大丈夫?ごめんぅわっ?!」 謝ろうとしたら体が前に倒され、何かに包み込まれた。 「うぅん…やっぱりいい匂い」 瘋斗の声が耳元から聞こえる。 背中と後頭部には瘋斗の手がまわっており、ガッチリと掴まれていた。 「…………!っ瘋斗、僕を騙したね?!」 瘋斗の発言に赤面したのもつかの間、彼が自分を騙したことに怒った。 瘋斗の背中をドンドンと叩くものの、体格差がかなりある為、全く効いていない。 「楓は可愛いな」 「かっ……っ可愛くなんかない!!」 恥ずかしくて瘋斗の胸に顔を埋める。 また赤面してしまった… 「抱きついてくれるのは嬉しいんだけど、ここ人沢山いるぞ?」 「っ!?」 耳を澄ませれば周りからざわざわと声が聞こえる。 どれも自分たちのことを言っていた。 『お似合いだな』とか『恥ずかしくないのかな?』とか『爽やか×総隊長萌えるぅうう!!』とか… 恥ずかしいに決まってる! 恥ずかしさが上昇し、更に瘋斗の胸に顔をつさ埋める。 そんなに楓を見て瘋斗が押し倒したいなんて思っていること… 増しては、この二人の後ろに人がいることなんて楓は気付いてはいない。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

406人が本棚に入れています
本棚に追加