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しかし、いつまで経っても瘋斗は腹を抱えたままだった。
え?そんなに強くやっちゃってたかな?それとも当たりどころが悪かったのか?
少々心配になり、瘋斗の元に駆け寄る。
「えっと…大丈夫?ごめんぅわっ?!」
謝ろうとしたら体が前に倒され、何かに包み込まれた。
「うぅん…やっぱりいい匂い」
瘋斗の声が耳元から聞こえる。
背中と後頭部には瘋斗の手がまわっており、ガッチリと掴まれていた。
「…………!っ瘋斗、僕を騙したね?!」
瘋斗の発言に赤面したのもつかの間、彼が自分を騙したことに怒った。
瘋斗の背中をドンドンと叩くものの、体格差がかなりある為、全く効いていない。
「楓は可愛いな」
「かっ……っ可愛くなんかない!!」
恥ずかしくて瘋斗の胸に顔を埋める。
また赤面してしまった…
「抱きついてくれるのは嬉しいんだけど、ここ人沢山いるぞ?」
「っ!?」
耳を澄ませれば周りからざわざわと声が聞こえる。
どれも自分たちのことを言っていた。
『お似合いだな』とか『恥ずかしくないのかな?』とか『爽やか×総隊長萌えるぅうう!!』とか…
恥ずかしいに決まってる!
恥ずかしさが上昇し、更に瘋斗の胸に顔をつさ埋める。
そんなに楓を見て瘋斗が押し倒したいなんて思っていること…
増しては、この二人の後ろに人がいることなんて楓は気付いてはいない。
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