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と、陽気な明るさで、前触れもなく現れたのは、ライブンズとその脇に抱えられていたシブンズ。そしてそれを引っ付いて来たのは、御付きのクインズ。
であったが、修羅場を目の当たりにして、動きを止めた。
「・・・・・・シーちゃん」
「何や?」
「わい、頭おかしくなったんかいな?あの『ゼロ』が喧嘩しとんのやけど」
「ああ。大体あんな感じだよ」
信じられない形相で見つめるライブンズに、シブンズが冷静に返して、その後ろでクインズは苦笑いを浮かべた。
そして今度は、窓ガラスに身体ごとぶつけて、割って入って来た二つの影があった。
「やあやあやあやあ!!先輩達が来てあげたよ!!」
「喜べ、可愛い後輩達!!」
大袈裟すぎる盛大な登場をかましたのは、兄のティム・レイニーと、弟のムーニー・レイニーだ。
その割れた窓ガラスを普通に開けて侵入してきたのは、学生服を着たスアラとヤクシャ、ラクシャサの三人だ。
大人数が押し寄せて、自分達の喧嘩ぶりを見ていることなど目にもくれず、ユウとアサはがるるる!!と威嚇し合いながら、互いに頬を摘まみ合った。
が。ドシーン!!という、地鳴りにより、二人の戦いは幕を閉じた。
「────二人共、病院で喧嘩はしない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
ぎらり。と鋭い眼光で射抜くフェローラの覇気に当てられて、二人はぴたっと止まった。
******
フェローラによる大説教と、見舞いを他所に盛り上がる個室内の空気を、ギルバートはドアの隙間から覗いていた。
床の上に直接正座を虐げられて、ガミガミと叱られて、罰の悪い表情を浮かべる双子を見やって・・・訪れた平和の空気に、ギルバートは小さく笑みを溢した。
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