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「花屋には結構きれいな状態で種や肥料があった。それでもだめだった」
所詮、花を育てていたことなど昔の話。更にここは太陽の光もろくに届かない、灰色の町である。度台無理な話だったのである。
「だから、な? そしたら死ぬからな?」
孤独を癒してくれる猫が死ぬか居なくなるかしたら死ぬ。誰のためでもなく、自分の為に自分の命を絶つ。そう考えていても、心の奥底からは何も聞こえてこなかった。
「なら、そうしよう……そうしよう」
乾いた笑いを上げながら、灰色の雪が降りしきる街中をフラフラと歩く。まるで死人の様に、ただフラフラと、死ぬ時間を求めて生きている。
「ハハハ……かくして、"流 進"の人生は、終わりに向かいましたとさ」
皮肉たっぷりに言う。体を捻りながら、変に伸ばしながら、踊るように歩いて、自分の無意味だった生を思い返していた。……が、止めた。
「なーんも無かったからな……あー、とっとと死にたい」
そのあとも、ただただ死人の様に踊っては、自虐に浸っていたのだった。
------"取り残された青年"は、半端狂ったように付近を徘徊した後、激しく嘔吐してガレージで死んだように眠りについた。
同時刻、神様が何かに対してひどく怒っているみたいな事に気づく。何に対してそんな怒ったのか知らないけれど、僕には関係のない事だ。
そう、運命はまだ、回り始めていないのだから
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