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「はてさて、何が待ち受けています事やら」
肩をすくめながら宙に舞った埃や灰色の雪をかき分け、小さなクレーターのような場所にの中心部に向かう。
ターミネーターかエイリアンか……いや待てよ、もしかしたら他国からの援助品かもしれない。
そんな調子の良い事あるわけないとはわかっているのだが、空から降ってくるものにそこまで知識は無いのだ。だからこそ、知識がないからこそ、こういった事を楽観的に、喜劇的に受け取れるのだ。
そんな、期待と不安と好奇心でいっぱいになった胸の鼓動を抑えながら、中心部を覗き込むと……
「……花……」
とっさに出た言葉はまさに正しい。白く、どこまでも透き通るような、そんな一輪の花が、この灰色の町に降ってきた。
いや、正確に言うのであれば、白い花のような、少女が降りてきたのだ。
沈黙……そしてふと考えてみる。これは夢なのではないかと。現実に絶望しきった俺が、自殺の合間に見ている一瞬の夢なのではないかと。
「だったら早く目覚めなきゃな」
倒れている、そして意識を失っている少女に背を向け、瓦礫に頭を打ちつけてみる。
鈍い音が頭痛と共に響いた後、再び振り返ってみると
「あ……これが現実なのね」
年齢は自分と同じ18歳付近に見える真っ白な少女が、依然として倒れているので、これが本当に現実なのだと知る。
となると、どうすればいいのだろう?
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