17人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、誰だか知らんが起きろ」
近寄り、肩を揺さぶって起こそうとする。とりあえず目を覚ましてもらわなくては話にならない。
「おい……はぁ、ダメか。完全におねんねしてやがる」
ため息をひとつ付き、意識不明身元不明人間なのかすら不明の少女に目を向ける。
「とりあえず連れてくか」
特大級のため息を付き、少女に肩を貸して立ち上がらせる。当然意識を失っているので、俺が支えねば倒れてしまう。
「まるで雪花だな」
フッ、と自分でも上手いこと言えたと鼻を鳴らす。真っ白で繊細で、触れたらすぐにでも壊れてしまいそうな人口の氷で作った花。彼女はそれにぴったりだった。
「さて、行きますか」
まともなものを食べてないので、ふらつきながらも謎の少女を支えて、ガレージへと向かったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!