白い花

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「おい、誰だか知らんが起きろ」  近寄り、肩を揺さぶって起こそうとする。とりあえず目を覚ましてもらわなくては話にならない。 「おい……はぁ、ダメか。完全におねんねしてやがる」  ため息をひとつ付き、意識不明身元不明人間なのかすら不明の少女に目を向ける。 「とりあえず連れてくか」  特大級のため息を付き、少女に肩を貸して立ち上がらせる。当然意識を失っているので、俺が支えねば倒れてしまう。 「まるで雪花だな」  フッ、と自分でも上手いこと言えたと鼻を鳴らす。真っ白で繊細で、触れたらすぐにでも壊れてしまいそうな人口の氷で作った花。彼女はそれにぴったりだった。 「さて、行きますか」  まともなものを食べてないので、ふらつきながらも謎の少女を支えて、ガレージへと向かったのだった。
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