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「そうは言っても、なぁ……あ」
目の前で髪の毛を垂らしている彼女の髪が、丁度俯いたせいか真下に垂れたとき、何かがつながった気がした。迫ってくる彼女を制して、考え込む。
『図書館近くで見た花』『彼女の第一印象』『無垢な言葉』『白くて長い髪』そして、"あの花の花言葉"……
「"スノウ"」
突然の沈黙からの言葉に、キョトンとする彼女。
「あんたの名前、スノウじゃだめか?」
それは昔育てたスノーフレークの花に因んだ名前。その花の花言葉は『純粋』『無垢』そして、真っ白で垂れるような花弁。
名前を付けろと言われたら、もうこれしかないと、不思議と確信していた。
しばしの沈黙の後、彼女は満面の笑みで、俺に向かって言った。
「私は、スノウ、流の友達」
友達、という言葉に面食らいつつ、しばらくはここにいてもいいと話す。
まぁ、実際物資が二倍必要になるわけだが、俺が自殺しそうになったら止めてくれる奴が出来たと思えば、安いものだ。
かくして彼女、いや、スノウとの生活が始まった
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