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僕はその場で足元から凍りついた。
ベッドの中の影は呻き
悪魔のように黒く大きく揺れた。
「あんたの言う事は正しいよ、先生。あいつの根っこは今も昔も変わらない。ただ優しくてガラスみたいに繊細」
悪魔は耳障りな低い声で
僕に向かって語り続ける。
「知りたくて来たなら教えてあげる。どうしてあいつが時として驚くほど残忍になるか――自分を愛する人間を虫けらのように踏み潰すか」
体が動かないのに震えが来て
歯だけがカチカチと鳴った。
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