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暗闇に
フラフラとマリアの影が揺れた。
「死んだなんて――悪い冗談だよ」
僕は口先だけで軽く笑った。
その実
込上げる恐怖心を拭い去る事は出来なかった。
「ちょうど4年前の10月だった。類さんがこの時期におかしくなるのは、私を助けられなかった罪悪感からなの。彼、近くで見てたから――自分が私を見殺しにしたと思い込んでる」
マリアの切実な告白は静かに続いた。
「誰も止められなかったのよ――雅兄様以外誰もね」
そして決定打――。
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