第1話

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ファーラは、ミロラを呼んだ。彼は、この王国に足を踏み入れる前からファーラに尽くしてきた最強のお供だ。戦闘力がなく、戦いに加わることはできないが、いつも冒険や戦いについてのアドバイスをくれ、手に入れた武器を管理してくれている。彼がいなかったらここまでたどり着くことは出来なかっただろう。 「攻撃力は最大10倍になる。しかし、重さ故に瞬発力は3分の2程度になる。また、攻撃後一瞬麻痺を起こしてしまう。それでもやってみるか?」 ミロラがそう口にし、画面には”YES”、”NO”の二つの言葉が表示された。切り札だ。やってみるしかない。”YES”へ移動し、決定した。トゥリリン!決定をするといつもそんな音がする。この時は、生死を分ける決定をした。という音に感じた。  辺りが一瞬明るくなる。気がつくと、ファーラの右手には、とても大きな剣が握られていた。光の剣。魔法の森であるプライッツミールの魔法の力、イマジネーションベースであるMiraiの人間達の科学の力。この2つの不思議な力がこの剣の中に蓄えられている。この剣は、並大抵の人間では持つだけで体力を吸い取られてしまう。おそらく数々の試練を乗り越え、多くの敵を倒しながら経験値を積んできたファーラにしか扱うことはできないだろう。
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