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「・・・・・・・・・」
辺りが真っ白になる。勝ったのか?それとも負けたのか?ほぼ同時の攻撃だった。相打ちというものはないはずだ。必ずどちらかが勝って、どちらかが負ける。そんな世界だ。
「・・・・・・・・・」
辺りが元に戻るまで、待つしか無かった。
「・・・・・・・・・」
目の前に、大きなお城が現れた。ドイツのノイシュバンシュタイン城を彷彿させる、立派なお城だ。青空を背景にすると、こんなに白さが魅力的に映るとは。ここにやってきた時、空は灰色だったため、美しい城というより、邪悪な要塞のようにしか見えなかった。正門が開き、貴族達が白馬に乗って行進してくる。いつの間にか集まっていた街の住人達は大歓声を挙げていた。勝ったようだ。グバルディオは光の剣により倒され、闇の力を全て失った。闇の呪縛から放たれた国王ギアハルトが、再びこのプロメタル王国を平和な国に戻すべく立ち上がったのだ。今日は、復活を記念するパレードが行われるのだろう。ミロラの話しによると、このパレードにはファーラとミロラも参加するよう請願されたらしいが、ミロラが断ったとのことだ。先を急がなければならないらしい。折角目立つ機会なのに、何か残念な気持ちだった。ファーラは、せめてパレードは見てみたいと強くミロラに頼み、街の住人に紛れていた。
行進の格好よさに見とれていた時、ミロラは突然ファーラの手を掴んだ。
「もういいだろう?大分時間を使ってしまった。行こう!」
ファーラは一度反論しようとしたが、止め、ミロラと供に王国から走り去った。
・・若き勇者。ファーラ、ミロラ。我々は決して其方を忘れることはない。永遠の我々の勇者として、歴史に名を刻むであろう・・
そのような文字が画面に浮かび上がった。そして、THE END という文字が表示され、物語が幕を閉じた・・・。
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