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2人は小さな船に乗っていた。帆を貼り、一直線に海洋を進んでいる。少年の右隣には、ゲームの中の声の主と思われる人が乗っていた。そういえば、姿を初めてみた。外見は、少年と同じような小柄だった。目が会う。
「改めて初めまして。僕はこれからミロラとして君をサポートする。そして、君はファーラとして頑張ってくれ」
ミロラが右手を伸ばす。少年、ファーラも右手を伸ばし、固く握手を交わした。
「じゃあ、このゲームのストーリーを説明する。知っているとは思うけれど、俺が説明を始めること自体このゲームのストーリーだから」
ファーラは頷いた。
「あっ、そうだ。大丈夫だとは思うけれど、これだけは絶対に忘れないでほしい」
ミロラは急に真剣な表情になる。ファーラはつい構えてしまう。
「ここは、ゲームの世界であるということを絶対に忘れないでくれ」
「・・そうなの?」
「そう。忘れると、ゲームの世界から出られなくなる」
「・・・・・」
「大丈夫さ!俺がついている」
そう言ってミロラは、ファーラの背中を強く叩いた。ファーラは前のめりになった。
「それでは話を戻そう」
ミロラは咳払いをした。
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