第1話

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2人は小さな船に乗っていた。帆を貼り、一直線に海洋を進んでいる。少年の右隣には、ゲームの中の声の主と思われる人が乗っていた。そういえば、姿を初めてみた。外見は、少年と同じような小柄だった。目が会う。 「改めて初めまして。僕はこれからミロラとして君をサポートする。そして、君はファーラとして頑張ってくれ」 ミロラが右手を伸ばす。少年、ファーラも右手を伸ばし、固く握手を交わした。 「じゃあ、このゲームのストーリーを説明する。知っているとは思うけれど、俺が説明を始めること自体このゲームのストーリーだから」 ファーラは頷いた。 「あっ、そうだ。大丈夫だとは思うけれど、これだけは絶対に忘れないでほしい」 ミロラは急に真剣な表情になる。ファーラはつい構えてしまう。 「ここは、ゲームの世界であるということを絶対に忘れないでくれ」 「・・そうなの?」 「そう。忘れると、ゲームの世界から出られなくなる」 「・・・・・」 「大丈夫さ!俺がついている」 そう言ってミロラは、ファーラの背中を強く叩いた。ファーラは前のめりになった。 「それでは話を戻そう」 ミロラは咳払いをした。
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