第一話 入隊

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『蛍さん』 沖田に名前を呼ばれてはっと我に返る。 焦りの混じった表情で目をやると少し驚いた顔をしていて 少しするといつものにこにこした表情に戻った。 『土方さんも消えちゃいましたし、部屋に戻りましょうか』 「はい…すみません、ぼーっとしていて」 ぼーっとしていたと言うのは嘘で 心臓がまだ足りないと訴えてくるんだ。 戦い足りないって。 『僕はちょっと寄ってく所があるんで先に戻ってて下さいね』 「…ッはい。わかりました」 いけない。飲み込まれてしまいそうだ。 気持ちを押さえて部屋に向かわなければ。 部屋のありそうな所を歩いていれば辿り着くだろう。 そう思いながら適当に足を進める。
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