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『蛍さん』
沖田に名前を呼ばれてはっと我に返る。
焦りの混じった表情で目をやると少し驚いた顔をしていて
少しするといつものにこにこした表情に戻った。
『土方さんも消えちゃいましたし、部屋に戻りましょうか』
「はい…すみません、ぼーっとしていて」
ぼーっとしていたと言うのは嘘で
心臓がまだ足りないと訴えてくるんだ。
戦い足りないって。
『僕はちょっと寄ってく所があるんで先に戻ってて下さいね』
「…ッはい。わかりました」
いけない。飲み込まれてしまいそうだ。
気持ちを押さえて部屋に向かわなければ。
部屋のありそうな所を歩いていれば辿り着くだろう。
そう思いながら適当に足を進める。
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