Room No.X

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私は、美樹の華奢な肩からはらはらと零れ落ちた真っ直ぐな黒髪を掬い、続けて緊張と羞恥で紅く染まった艶やかな頬に手を伸ばした。 「邪魔するものはもういないわ。」 そっと、美樹の体を抱き寄せ、今度こそ誰も迷い込んでこないよう、内側から鍵をかける。 「…私は、あなたのものよ。」 形のよい美樹の耳へと愛の言葉を囁いて、愛しい人に囚われの魔法をかけた。 ―fin―
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