プロローグ

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ー・・・風が吹いている。太陽が出ている・・・影ができている・・・ ぼくは自分がきらいだった。 胸ぐらいの長さの黒髪。小柄な体。小さな手足。小さな頭。つぶらな瞳。きちんと整った眉毛。柔らかい頬。 全てが嫌いだった。何が嫌いなのかわからなかった。 ぼくは自分の影が大好きだった。左側の影が大好きだった。 足の形、高い身長、大きな手足、ほっそりとしたウエスト。バランスの良い綺麗な影だった。 すべてが大好きだった。何が好きなのか、わからない。
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