第1話

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ねえ、あんたプロ野球選手なの? この少女、山井春音に捕まる来店6回目までは。球団からもらったシャツを着なければよかった。少女はいきなり右打ちのコツとかを俺に質問してきたかと思えば…やがては矢部君とのくだらないエピソードまで聞き出されたり。 そうしているうちに午後5時ちょうどに喫茶マリンで出会うのが日課になっていた。 昨日は遅くなったわけなんだが。 「で、どうなんだ?野球部のほうは」 「あ、あんたには関係ないでしょ」 関係なくないんだがなあ。春音が話しかけてきたのはまさしくそのことだったんだから。 女の子が野球するのっておかしいのかな この一言がきっかけだったりそうでなかったり… 「わたしは大丈夫よ…2番ライト山井は高校野球界で要注意人物なんだから」 「へいへい、そうですか」 2番ライト、そんな上位にいたのはいつ以来か 「せいぜい8番レフトが精一杯の人間には羨ましい、かな?」 「ぐっ…いいんだよ。たぶん支配下登録はされるだろうから。そしてすぐに1番でも2番でも打つさ」 思い返せば高校生以来だろうか。いや、高校生の時の俺は1番レフトがだいたいだったな。 打・走には定評があるが、守はイマイチだったからだろうか。 …ああ、だから俺はあの時エラーを… …………あ、あれ?なんで 「なんで泣いてるのよ!?メンタル弱すぎでしょ!?」 すみません、マジすみません 「泣かないでよ!!ったくもー、プロ野球選手なんだからしっかりしなさいよ」 「わ、わかったよ」 17才の少女に慰められる19才の高卒ルーキー。年齢で考えれば2才差なんだが、職業で考えると…なんだこれ? こんな場面、どこぞの誰かさんに見つかったらあの世で偉大な野球選手の方々と会うことになるね。 「そうだね。ぼくが警察に通報して、ロリコン罪は確定だもんね?」 「」 …wao
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