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今夜はいっぱい甘えて甘やかしてギュッと抱き締めて寝よ、って。
そんで断られた。
ドラマのセリフ覚えたいし、って。
そう前置きした後に冒頭のセリフ。
もしかして…俺、愛想尽かされた?
ボーゼンとしてるところに、後ろから追い抜いていったタレ目の男前が振り向いて呆れた顔で「ばぁか」って声を出さずに口を動かした。
これみよがしに俺の恋人の横に立って顔を覗き込んだ。
「なぁ、お腹すいたぁ。
一緒に何か食いに行こ?」
甘えた声で食事のお誘い。
それに対して「えーよ」ってあっさり頷く姿にショックを受ける。
メンバー同士で食事なんていつものことやけど、今は状況が違う。
たった今、俺の誘いは断ったやん。
声かけられず、いたたまれなくて他のメンバーを振り返って無言で助けを求めた。
切り揃えてた前髪が少し伸び、その強い眼差しが更に強調されて物言いたげな人。
「お前今日はもうまっすぐ帰れ。
ほんで色々反省しろ。」
それだけ言われて背中を叩かれた。
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