ユーダスタス学園入学!

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レイガンに呼ばれ、仕方なく前に歩いていくアキト。 「お前で最後だ。まぁ、適当に自己紹介して次いくぞ!早く終わらせねぇと入学式間に合わねーよ」 (あー、そーいえば入学式なんてあったなぁ) そんな事を考えていると、早くしろ!と急かされたので、自己紹介を始ようと口を開く。 「えーと、名はアキトです。趣味は…まぁ、特にないです。よろしく」 そう言って、そそくさと席に戻ろうとしているアキトに 「おいおい、魔法属性何使えるかまだ聞いてねぇぞ!」 「あー…言わないとダメですかね」 と困った表情を見せるアキトに、言え。と言わんばかりの顔をするレイガン。 フーッと溜め息をついて、口を開く。 「えーっと…魔法…使えないんですよね」 …………。 「「アッハッハッハッハ!!!!」」 一斉にクラスの皆が笑いだす。 「おもしれぇ冗談だな!」と、生徒の誰かが言う。 「はぁ、んじゃもー席ついていいっすか」 「お、おう」 と言うレイガンの言葉聞くと席へと歩いていくアキト。 自分の席までつくと、隣にいるアスカが聞いてくる。 「ホントに魔法使えないの?」 周りにはまだ笑っている者もいる中で、真顔で聞いてくるアスカ。 「ホントだよ。笑うなら笑えよ。」 「へー…そーなんだ」 と興味なさげに答えるアスカに、不思議そうな表情を浮かべる。 「なんだ?何も思わないのか?」 「なにが?」 「いやだから、魔法使えないなんて普通おかしーだろ」 「んー、魔法が使えなくたって、別におかしいなんて思わないよ」 そう言ってクスッと笑うアスカ。 「えーっと…。そーなのか? 今までの奴らは皆、コイツらみたいに笑うからな、笑わなかったのアスカで二人目だな」 アキトには不思議でたまらなかった。 それも無理はない。皆生まれながらに属性は必ず1つ以上持っている。物心つく頃には魔法は使えるものだ。 だから16にもなって魔法が使えぬ者など、今まで一人もいないからだ。 「そーなんだ!でも絶対大丈夫だよ アキトにもいつか魔法が使えるようになるよ」 クスッとまた笑っていると、レイガンがよく聞け!と言って、言葉を繋げる。 「じゃあ今から入学式だからさっさと皆体育館へ行け!」
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