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「み、澪先輩がっ……も、もしかして、万が一、ありえないけど、でもひょっとするとっ……、しゅ、修平がっ、ゆ、ユリナのこと……好き、なんじゃ、ないかってぇ……!」
「……ああ、なるほど、そういうこと」
ユリナちゃんの説明は事情を知っている私が聞いてもめちゃくちゃだったのに、長瀬は納得したように頷く。
どれだけ人の心を読み取るのが上手いんだろう。
モテるわけだ。
場違いだとは思いながらも改めて感心していると、不意に長瀬が私の方を向いた。
「羽村はどうしてそう思ったわけ?」
「え、それは……ユリナちゃんの恋を高井くんが邪魔ばっかりしてるって聞いたから。もしそうなら理解できるな、と思って」
「ふーん、なるほどな」
小さく頷いた長瀬は、私とユリナちゃんが向かい合う横の椅子にさりげなく座った。
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