【第13話】仮説と結論、彼女の場合

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  「どうして?」 「だ、だって修平ですよぉ!? そ、そんなのありえないじゃないですかぁっ!」 「でも羽村がそう思うってことは、ありえないとは言い切れないと思わない?」 「でっ、でもっ!」 「宮野」 長瀬が一段低い声で、ユリナちゃんの名前を呼んだ。 彼女の肩が一瞬、びくりと震える。 「一旦、落ち着いて考えてみようか。ありえないって言って目を背けても、何も解決しないよ?」 「そ、それは……そう、ですけどぉ……」 「ん、よし。じゃあ、ひとつひとつ、整理していこう」 にっこり笑った長瀬は、たいした役者だと思う。 動揺し切っていたユリナちゃんを、私と二人の時には見せない柔らかい話し方と、人好きのするやさしい笑顔で、見事に自分のペースへと誘導した。 .
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