【第13話】仮説と結論、彼女の場合

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  週明け早々、また忙しい波が襲ってきた。 突然舞い込んできたポスターのプレゼン案件。 担当は、私と長瀬。 一緒に組むコピーライターはユリナちゃんと高井くんだ。 「高井は長瀬と、宮野は羽村と組んで、一案ずつ頼むな」 佐川さんがそう言って、席を立つ。 私たちもそれにならって、打ち合わせスペースから自分のデスクへと戻った。 その途中、ユリナちゃんがそっと私に並んで言う。 「……澪先輩……あの、ご迷惑おかけしたらすみません……」 「え? 何が?」 「その……ユリナ、1人で一案持つの初めてでぇ……」 「ああ、そっか。じゃあデビューだね」 「はいぃ……」 小さくなっていくユリナちゃんの声に、私は苦笑した。 緊張しているのが見てわかる。私が想像している以上に、プレッシャーを感じているのかもしれない。 .
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