【第13話】仮説と結論、彼女の場合

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  ふとそう思ったが、口には出さなかった。 ユリナちゃんのためにも、ここは頑張ってもらうしかない。 長瀬は嫌味なくらい柔らかい笑みを浮かべて、ユリナちゃんに言った。 「じゃ、方法はひとつだ。今日は二人とも早く上がっていいから、一緒に飲みにでも行っておいで。酒が入った方が話しやすいだろうし」 「……でもぉ、ユリナ、仕事がぁ……」 ちらり、こちらを伺ったユリナちゃん。 同意して欲しい、けれど反対して欲しい……そんな矛盾が瞳に浮かんでいる。 私は微笑んで、答えた。 「大丈夫だよ。明日からでも間に合うから。先にそっちやっつけちゃわないと、集中できないでしょ?」 「……うぅ……ごめんなさいぃ……」 「いいから、気にしないで。それより、ちゃんと話して、明日はスッキリして来てね」 「はいっ……!」 ずっと困ったような顔をしていたユリナちゃんに、ようやく笑顔が戻った。 やっぱりユリナちゃんは、笑っている方がいい。 .
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