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私はホッとしながらそう思っていた。
ユリナちゃんと高井くんの話し合いがどんな展開になるかはわからないけれど、何となく、上手くいきそうな気がしていたこともある。
私の方まで、心が少し、軽くなったような。
がたがたと支度を始めたユリナちゃんが、立ち上がって言う。
「じゃ、えっと……、修平に声、かけてきますっ!」
「ん、行っておいで」
「澪先輩、長瀬さん、ありがとうございましたっ! 失礼しますっ!」
ぺこり、頭を下げたユリナちゃんが打ち合わせスペースから出て行った。
その背中を見送った私たちは、ふう、と同時に息を吐く。
そのタイミングに顔を見合わせて、笑った。
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