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食事が終盤に差し掛かった頃、私は切り出した。
「……ユリナちゃん、ひとつ聞いていい?」
「何ですかぁ?」
私は水を一口飲んでから、気になっていた質問をぶつけてみた。
「高井くんとはさ、ずっと、幼なじみだったわけじゃない。それもどっちかと言うと……言い合いというか、いがみ合いばっかりしてるイメージの」
「澪先輩って、結構ハッキリ言いますよねぇ……」
「ああ、ごめん。気に障った?」
「いえ、全然! だって、事実ですし」
「……だよね」
自分の発言が失礼に当たるのは承知していたが、ユリナちゃんがあまりに即答するもんだから、つい苦笑いを返してしまう。
私は手元のパスタをフォークにくるくる巻いて、一口頬張った。
濃厚なクリームソースが口いっぱいに広がる。
もぐもぐ、味を確かめるように咀嚼していると、ユリナちゃんが前のめりになって続きを促してきた。
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