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「それでっ? 何ですかぁっ?」
「ああ、うん。それでね、こう……昨日までずっと“ただの幼なじみ”だったのに、急に恋愛対象として意識するようになったのって、何がきっかけだったのかなぁ、って。ちょっと気になって」
私の言葉に、ユリナちゃんは「あぁ~……」と納得したような声を漏らす。
食事の手を止めて、少し考え込むような素振りを見せた。
「ううーん、そうですねぇ……」
唸っていたユリナちゃんが、ぽつぽつと、話を始めた。
「ユリナの場合は、修平がユリナのことを好きかも、って初めて考えてみたことが、スイッチだったような気がしますねぇ」
「スイッチ?」
「恋愛の、スイッチですよぅ! だって全然、ホンットに全然、考えてもみなかったんですもん!」
「……そんなに胸張られると、高井くんが不憫だね」
ははは、と苦笑した私に、「でも、ホントにそうなんですから仕方ないですよぉ!」とユリナちゃんが笑う。
和やかなランチタイムを過ごす私たちの話題は、同世代の女性ならきっと当たり前に傍にあるものだろう。
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