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自分のときは、どうだったっけ。
そう遠くない過去を思い返し、私は言った。
「大丈夫だよ。ユリナちゃんならできると思ったから、佐川さんも嶋田さんも任せてくれたんだから。私もついてるし、一緒に頑張ろう! ね?」
「……はい……っ」
まだ少し、顔が強ばっているかな。
私はうーん、と伸びをしてから、ユリナちゃんの肩も軽く叩いた。
「ほら、肩の力抜いて! 今回は長瀬と高井くんが相手だからねー、何だか負けたくないんだよねー」
「は、はい……っ! ユリナも、修平に負けたくないですぅ!」
「よしっ! じゃあちょっと作戦会議しよっか!」
「はいっ!」
ユリナちゃんの花のような笑顔が戻ってきた。
私はホッとしながら彼女の背に手を添えて、小さな打ち合わせスペースへと移動した。
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