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「でもぉ、澪先輩に言われて、長瀬さんに諭されて……どうしてユリナ、修平の気持ちのことで、こんなにパニックになってるんだろう、って思ったんですよねぇ」
「へえ……」
「修平がユリナを好き、なんて、あるわけないって決めつけてたのって、どうしてだろう? って。それで、初めて考えてみたんですよぉ、ユリナにとって、修平って何だろう、って……」
昨日のパニックが嘘みたいに、ユリナちゃんは落ち着いている。
私はその様子に驚きよりも感心に近い感情を抱いていた。
素直で可愛い後輩は、私よりもずっと、大人なのかもしれない。
「ユリナの隣にはいつも修平がいてぇ、うざいってずうっと思ってたんですけどぉ……でも、もし修平がいなかったらって考えるとぉ……」
口元にあてていた手を不意に離したユリナちゃんが、ぽつり、呟いた。
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