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「考えてみたら、いろいろ、やさしくしてもらうことだって多かったんですよねぇ。ツライときは傍にいてくれたり、落ち込んでるときは励ましてくれたり……」
「……幼なじみだもんね」
「そうなんですよぉ! だから誰よりユリナの傍にいたのって、なんだかんだ言って結局、修平なんですよねぇ」
あはは、と笑うユリナちゃんは、少し照れた顔。
昨日までの二人の関係を思うと、ユリナちゃんの変化はとてもすごいことのように思えた。
「そう思ったら、修平以上にユリナのことわかってくれる人なんて、いないって気がついてぇ……」
誰より傍にいたから。
誰より相手のことを知っているから。
そして誰より、相手のことを想っているから。
そのことにやっと気づいたユリナちゃんと、ずっと待っていた高井くん。
ふたりが傍にいることを自然に感じていたのは、周囲の方が先だったのかもしれない。
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