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だって、自分の気持ちと向き合うのにはエネルギーがいるし。
好きな人の気持ちは、一番わかりにくいものだから、だ。
ユリナちゃんはふう、と小さな溜息を吐いてから、私を見て小さく微笑んだ。
「だから昨日、修平が同じ気持ちでいてくれたって知って、なんか、ホッとしたって言うかぁ……。ああ、そっかぁ、って。ユリナには修平が必要で、修平にもユリナが必要なんだぁ、って」
ユリナちゃんの伝えたいことは、何となくわかる気がした。
ぴったりくる。
しっくりくる。
すとんと、胸に落ちる。
パズルのピースが上手くはまったみたいな、そんな感じ。
ユリナちゃんにとって、高井くんがそれで。
高井くんにとってのそれも、ユリナちゃんで。
お互いの想いがお互いの心に、ぴたりとはまる。
そんな特別を手に入れたユリナちゃんの笑顔は、晴れやかで眩しいくらいだった。
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