【第13話】仮説と結論、彼女の場合

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  「……私には、手に負えない、わ」 うーん、と大きく伸びをして、呟いた。 独り言にも満たない、何気ない言葉のつもりだった。 が。 「……何がだよ?」 思っていたより大きな声が出ていたらしい。 隣に戻ってきた長瀬が不思議そうな顔で私を見ていた。 「ん? ……あー、うん、まあ、こっちのこと」 「ふーん?」 首を傾げてはいるが、そう気になってはいないようだ。 長瀬はそのまま自分の席で椅子を引き、ゆったりと腰掛けた。 「上手くいったんだってな、あいつら」 「あー、うん。ユリナちゃんがお礼言ってたよ、長瀬と私のおかげだ、って」 「大げさだな。放っといてもいずれそうなっただろーに」 「だよね」 あはは、と笑うと長瀬も軽く微笑み返してきた。 呆れたような笑顔だけど、後輩への思いやりを感じられて悪い気はしなかった。 でもホント、幸せそうだったなぁ。 心の中で呟くと、高井くんのことを話す、ユリナちゃんの笑顔を思い出した。 自然とその思いが、口から溢れる。 .
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