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「自分に素直になるって、エネルギーいるもん。見栄とかプライドとか、いろいろ邪魔するし。なのにその労力を惜しまないで、気持ちを伝え合った二人って、すごいなぁ、と」
「……へえ」
長瀬が少し、感心したような声を漏らした。
私は「よっ、と」と零して、自分のMacへと向き直った。
「さて、仕事しよっかな」
「……ああ、そーだな」
キィ、と小さな金属音が聞こえて、長瀬も自分の仕事に取りかかったのがわかった。
カタカタ、操作する音をBGMに、私はまだ考え事を続行していた。
端的に言うと、私は恋愛が苦手なんだと思う。
もちろん、恋をしたことがないなんてことはない。
好きな人ができたことも、彼氏がいたことだって、もちろんある。
素敵だなと思う人だって、……いる。
なのにどうして、こんな風に思うんだろう。
自分でもよく分からない。
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