【第13話】仮説と結論、彼女の場合

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  方向性は、二つ。 クライアントの好みに沿ったA案と、それに少しギミックを加えたB案だ。 私とユリナちゃんの担当は、B案。 B案の立ち位置は、A案とは少し変わったところにある。 基本的には同等だが、場合によってはA案を通すために作る“捨て案”になることもある。 それは相手への提案の仕方やプレゼンの進め方にもよるから、今回とは少し違う。 B案は、普通に考えたら通りにくい、けれど通したい、といった制作側の意図を反映したものになる場合が多いのだ。 佐川さんが私とユリナちゃんにB案を振ったのは、恐らく、今回のクライアントがシャープなデザインを好む会社だからだと思う。 ハッキリ言うと、長瀬と、高井くんの得意な分野。 クライアントへ直球を投げるなら、私だってそう割り振るだろう。 .
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