2557人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「すっごい、もうすっごいメールで謝って、電話もしたんですけどぉ……なんか、引いてる感じでぇ……。無理だろうなぁ、って……」
「そ、そっか……。それは残念だったね……」
「それもこれもあのバカのせいですよぉっ!」
「わっ!」
危ない、間一髪、助かった。
ユリナちゃんが勢いを取り戻したことで、私のミルクティーが倒れるところだった。
「あのバカ、本ッ当に……昔からいっつもいーっつもユリナの邪魔ばっかりしてぇ……っ! だから全然彼氏もできないんですよぉ……っ!」
「……高井くん、そんなに邪魔ばっかりしてきたの?」
「そうですよぉっ! 中学の速水くんの時だって、高校の佐藤くんの時だって、大学の塩見先輩の時だってぇっ!」
わたしの知らない思い出をたぐりながら、彼女の怒りはさらにヒートアップしていく。
けれど反対に、私にはある疑念が浮かんでいた。
.
最初のコメントを投稿しよう!