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「……ふあぁ…眠い…」
ゆっくりとゆっくりと意識がはっきりしてくる。普段と同じ朝。カーテンからの日差しが眩しい。もう一度闇に落ちようとする意識をなんとか留めて、思い切って朦朧とした頭を起こす。
机の横に積まれた本。窓際の植木鉢。高い天井。やけに豪勢なランプ。見覚えの無い猫。
……………おい。ここ俺の部屋じゃねぇよ。
「なんだ、夢か…」
そうして、俺はあえてもう一度意識を睡眠へと傾かせる。
「本日二度目の寝起きぃ…っと」
目を開けずに意識だけを覚醒させる。夢の内容をあんなに詳細に覚えていたのは始めてだ。明晰夢って奴だな。自覚あったし。
…ん?何で目を開けないかって?いや…なんかこう、不安なんだよな…目を開けちゃったら、今の俺の心の平穏が一気に崩される様な…
ちょっと躊躇ってから、目を開く。
「やっぱりかよ…」
さっきの見知らぬ部屋だった。
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