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庭…?俺は庭にいたのか?
何故家で寝ていた筈の俺がこの家の庭で倒れていたのだろうか?
まぁ、その辺はおいおい調べて行くとして、だ。
「ふーむ…なるほど、大体の事情はわかった。ショーちゃん、出会ってすぐですまないけれど、その場所に案内してもらえるかい?」
するとショーは快活に笑って、
「うん!良いよ!ちょっと遠いけどね!」
と、意気込んで案内を始めてくれたのであった。
なるほど、その庭というのは、中々遠い場所にあるらしい。かれこれ五分近く歩いているがまだ建物から抜けていない。
「ふーん…この建物って、どんな感じの構造になってるの?ショーちゃん。」
「どんな感じ、って言われてもねぇ…あたしがそれなりに見て回ったけど、誰もいないみたいだしね。まだわからない、っていうのが本音。あ、あと呼び名ショーで良いよ!ちゃん付けられるの苦手なんだよね。」
「うん、わかった。じゃあこれからショーって呼ぶね。」
すると、ショーは満足気に頷いた。
「ところで、さっき言ってた『誰もいない』っていうのはどういう事?明らかに人の気配、というかそこら中手入れされた跡があるんだけど。」
ショーは目を丸くして、
「もうそんな所に気付いたの?冷静なんだねぇ。あたしなんか現状を理解するのにさえ半日かかったよ?」
それは俺も気になっていたのだけれど…何だか、さっきから頭が冴える。隠れた才能?
「あ、そうそう。」
ん?
「なに?」
「あのね、とりあえず、外に出たらこの建物の外観を見て欲しいの。それから話すから一緒に考えてくれない?」
気付くと、もう外の様子が窓から伺える様になっていた。出口が近いということだろうか。しかしまぁ…やっぱり日本じゃ無いなここ……
そして俺は…
「わかった。もう今更何があっても驚かないよ。」
日の光の下へ、ようやく踏み出せたのであった。
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