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「いや、悪いって言ってるわけじゃないんだよ。ただ、何だか可愛らしいなあと思って」
「! ……や、あの、すみません……」
「謝らなくていいから。さ、何にしようか」
神谷さんは手元のメニューに視線を落として、思案し始めた。
私は何も言えないまま、ただそれに続く。
このお店は、神谷さんが昔から馴染みのお店らしい。
何でも、大将は神谷さんのお父さんの友人なんだとか。
それで、か。
軽口を叩き合う親しい雰囲気も、神谷さんのことを名前で呼んでいることにも納得だ。
神谷さんも、幾分リラックスした様子だし。
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