【第14話】お詫びはお酒と大人のデート?

12/35

2336人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
  しばらくするとお店のドアが開き、常連さんらしき人が入ってきた。 大将は「いらっしゃい!」と声をかけて、そちらへと行ってしまった。 美味しいお酒と肴を楽しみ、満ち足りた気分でいる私に、神谷さんが少し声のトーンを落として話しかけてきた。 「……羽村さんはさ、今週末とか、何してるの?」 「えっ?」 「予定とか……あるのかな、って」 少し緊張を帯びた声。 それに気づきながらも、私は平静を装って答える。 「今週……は、日曜にちょっと、友達と買い物でも行こうかって話をしてます、けど……?」 「じゃあ、土曜日は?」 「今のところ、何も……」 伺うような視線に耐えきれず、私は日本酒の入ったグラスを手にする。 こくり、一口喉に流すと、神谷さんが意を決したように言った。 .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2336人が本棚に入れています
本棚に追加