【第14話】お詫びはお酒と大人のデート?

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  『前回のお詫びということで……羽村さん、何が食べたいですか?』 『本当に気にしないでください。でも、リクエストするなら……お刺身かお寿司が食べたい気分です』 『わかりました。一軒、馴染みの店があるのでそこにしましょう。少しわかりにくい場所にあるので、待ち合わせは駅前で』 『かしこまりました』 ……神谷さんとメールでそんなやりとりをしたのは、ついさっきのことだ。 白い息が街に消える。 気がつけばもう、季節は冬へと移行していたようだ。 人が忙しなく行き来する駅前で、私はそっと携帯を開き、時間を確認した。 時刻は夜の九時を過ぎている。 いままでの待ち合わせよりは、少し遅い。 と、そのときタイミング良く、声がかけられる。 .
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