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そんな私の内心を知らない大将は、得意げに胸を張る。
「ほうら、やっぱりな。響にはもったいねえよ、こんなべっぴんさんは」
「うるさいなあ。とりあえず瓶ビール、グラスは二つで」
「おっ、お嬢ちゃんもいけるクチかい?」
こちらへ視線を移した対象に、「はい」と頷くと。
「よっしゃ、おっちゃんがうまいもん食わしてやっからな!」
朗らかに笑った彼は、そう言いながら私にウインクを飛ばした。
その風貌とのギャップに思わず噴き出してしまった私に、神谷さんが「ごめんね、騒がしいオッサンのいる店で」と笑った。
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