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「……おいしい!」
思いがけない味の突き出しに、思わず口から言葉が漏れた。
するとカウンター越しに大将のご機嫌な声が飛んでくる。
「そりゃ良かった! 次はこれだ、ほら!」
ずいっと差し出されたのはお刺身の盛り合わせ。
旬の魚が気前良く盛られている。
「わー……すごい! おいしそう!」
恐らく私の目はキラキラ輝いていることだろう。
何から食べようか思案していると、隣の神谷さんがメニューを手に微笑んだ。
「羽村さん、日本酒に切り替える?」
「はい! 是非!」
美しく並んだお刺身を前に、私の酒飲みモードはすでに全開だ。
神谷さんがメニューを開きながらそっと教えてくれる。
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