【第14話】お詫びはお酒と大人のデート？

「メニューにないお酒もあるから、好みを言えば大将が選んでくれるよ。いろいろ飲みたいなら、この三種飲み比べセットってのもおすすめかな」
「へえ……！　ああどうしよう、迷う……！」

幸せな悩みに唸っていると、横の神谷さんがふき出した。
不思議に思って首を傾げると、神谷さんは笑いながら「ごめん」と言って、ビールを飲み干した。

「……羽村さん、あまりに幸せそうだから、面白くて」

そこでハッとする。
私、今……ひとり飲みのテンションになってた。

「あっ、えっと、あの、違うんです、お料理もお酒も魅力的で、あの……！」

慌てて弁解する私に、神谷さんは苦笑した。

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