僕の天使

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乾杯の後、僕はビールを一気に半分まで飲んだ。 少し酔わなきゃ、この最高の時間を無駄にしそうだからだ。 彼女は一口飲んで『凄い飲んだね。』と僕に言った。そして、あっと声を漏らし『私、ササノケイコ』と名乗った。 僕は彼女の名前を知らなかったのだ。 僕は『アキハヒデオ』と名乗った。 彼女は『漢字は?』 何かに書くにも書くものがない。『春夏秋冬の秋に葉っぱの葉で秋葉。ヒデオは英雄って書きます。』 『へ~、カッコイイですね、英雄って。』 僕は、そんなカッコイイものではないと言おうとしたが、その前に彼女は『私は、笹の葉の笹に野原の野。ケイコは敬に子供の子。』笹野敬子- その漢字を頭に描いた。 続いて『仕事は?』 『ホテルマンです。レストランのサービスを。』 『カッコイイ!』また、彼女が言った。 『全然。誰にでも出来ますよ。え~っと』 僕は、笹野さんと呼ぶか敬子さんと呼ぶか悩んだ。 『私はブッティックで働いてます。あと、敬子でいいですよ。』 その後、いくつか質問をお互いしたが、敬子と呼ぶ事はなかった。 笹野敬子- 32歳、独身。
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