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あれから3日たった。
思いもよらない人が僕の前に現れた。
それは、朝番を終えて帰る時だ。
『お久しぶりです。秋葉さん。』
僕を呼ぶ声で振り返ると、そこには、決して背は高くない。しかし、ガッチリとした体格で、スーツを着た男だ。
その男は、煙草のせいで黄色くなった歯を僕に見せながら微笑んだ。
髪が前に比べると少し薄くなってはいるが、すぐにこの男の正体に気付いた。
『どうも。お久しぶりです。』
『すいません、驚かれたでしょう。私、先週秋田から戻ってきました。』
『よく、ここに僕がいる事が分かりましたね。』
男はニッコリと笑い『いやぁ、大変でしたよ。』
僕は、男が何をしに来たのか解った。
『秋葉さん、私は一度も忘れません。今回戻ってこれて本当に嬉しいです。残り半年です。間に合いましたよ。』
男はまた、ニコリと笑い『神様が私に解決してくれって言ってるんですわ。』
男は手帳を出した。
杉北署
生活安全課
刑事部
栃宮順三
僕の過去を知る男。
『もう一度、あの時の話しを聞かせて下さい。』
僕は、男を見ながら
『いいですよ、栃宮さん』
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