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しばらく走って、神谷さんが車を止めたのは、海に近い水族館だった。
車から降りて歩いていると、潮の香りが鼻先をくすぐる。
「……水族館なんて、何年ぶりだろ……」
思わず呟いた私に、神谷さんはチケットを差し出しながら笑う。
「ちょっと、子どもっぽかったかな?」
「いえ、そんな……! 久々だから、楽しみです」
「そっか、よかった。じゃあ行こう」
手渡されたチケットが、ちゃんと準備してきてくれたんだというくすぐったさを連れてくる。
自然と笑顔になる自分を自覚しながら、私は神谷さんと共にエントランスをくぐり抜けた。
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