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休日ということもあり、家族連れやカップルも多く、少し混雑していた。
「混んでるね、さすがに」
「そうですね……っわ!」
返事をした私の足元を、走り回る子どもがすり抜けていく。
驚いて足を止めると、「すみません!」と謝る母親がそれを追いかけていった。
会釈を返し、神谷さんと目を見合わせる。
「元気な子ですね」
「そうだね。嬉しくて仕方ないのかもしれないな」
「ああ、そうかも」
自分の小さい頃を思い出し、少し微笑ましく思う。
家族でお出かけ、が、一番の楽しみだった頃。
「僕も、あんなだったよ。ずっと走り回ってた」
「そうなんですか?」
「兄弟みんなそうだったと思うな。今思えば、母さんは大変だったろうね」
くすくす笑う神谷さんにつられて、笑みがこぼれる。
昔の話を聞くと、また少し近づけたような気がするのはどうしてだろう。
私の知らない神谷さんが、まだまだたくさんいるんだろうな。
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