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助手席側のドアが静かに開いて、その先には神谷さんの笑顔。
「ごめん、待たせた?」
「い、いいえ!」
ぶんぶん顔を振って、車に近付く。
黒くて艶のある、スポーツタイプの……こういうの、SUVって言うんだっけ。
車に全く詳しくない私は、立派な車だなあ……くらいしか感想が出てこないことを申し訳なく思った。
神谷さんに促されて、助手席のドアをそっと開く。
「足元、気をつけて」
段差のことを言われているんだと気づいて、そんな気遣いができる神谷さんをさすがだと思った。
神谷さんは、私が座ってシートベルトを締めたと確認してから、車を出した。
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